セオリア・ハルモニア 〜はじめての人からすごい人のための音楽理論〜

初心者から上級者のための音楽理論ブログです。実践的な例を挙げながら、主観的に音楽理論をまとめたいと思います。

音程<Interval>① ~音程とは?音程の違いを耳で聴いてみよう~

   物事を考える時、必ず「単位」というものが存在します。

 距離ならkm, m, cm・・・

   時間なら時間、分、秒・・・

 化学ではmolを使い、天文学では”光年”という単位を使います。

 料理をする時でさえ、「さじ」という一種の単位を使います。

 

 料理で例えると、この「大さじ」「小さじ」という「単位」があるおかげでレシピ本を見ながら料理したり、誰かが作った味を同じように再現することができるわけです。逆に、自分が作った、また好みの味加減を人に伝えることができますね。

 塩がこのくらいで、醤油がこのくらいで・・・と、大雑把に伝えてはどんな味になるかあまり正確には想像できませんね。

 

 このように、「単位」は物事を考える・伝える上で非常に便利な”ものさし”になりえます。

 

 そして、音楽の世界にもこの単位という概念が存在します。

 

 それが「音程(Interval)」と呼ばれるものです。

 

 音程とは「2つの音の間にある長さ、距離」のことです。(「程」は「長さ」を意味しますね)

 単位は「度」です。

  

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細かいこと・・・

・2つの音が同時に鳴っている時は(画像の一番左と右から2番目)和声的音程(Harmonic Interval)

・別々に鳴っている時は(左から2番目と一番右)旋律的音程(Melodic Interval)

 

 って言うんですって・・・

 

 この音程は一般に出ている音楽理論書でも始めの方に述べられていますし、音大の楽典入試にも必ずといっていいほど、出題されています。それだけ音程というのは重要な事柄なのです。

 現に、ポピュラー理論や和声学など、あらゆるジャンルを説明する際や、相対音感をつける訓練をする時など、この音程という概念を理解しないと、先へ進めないという事情があります。そういう意味で音程は「音楽の単位」という例え方を使いました。

 

 それでは、その音程(音の距離)が変わることによってどんなサウンドが変化するか、とりあえず聴いてみましょう!!

 

 短2度 (minor 2)

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短2度

 うわぁ〜〜キモいですね・・・

 

長2度 (major 2)

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長2度

 

 さっきよりましですが、まだにごってます

 

短3度 (minor 3)

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短3度

 この辺からきれいになりましたね 

 

長3度 (major 3)

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長3度

 明るくて調和したサウンドがします

 

完全4度 (perfect 4) 

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完全4度

 にごっているともきれいとも、なんとも言えないサウンドがします・・・

 

増4度 / 減5度 (Augment 4 / Diminish 5)

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増4度 / 減5度

 すごい不安な雰囲気がします・・・

 

注意!  後述しますが、増4度と減5度は書き方は違えど同じ音程です!

          ここではサウンドだけ確認しましょう!

 

完全5度 (Perfect 5) 

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完全5度

 力強いサウンドですね

 

短6度 (minor 6)

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短6度

 3度系同様、きれいなサウンドがします

 

長6度 (major 6)

 

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長6度

 前述の短6度と比べて明るいサウンドがしますね

 

短7度 (minor 7) 

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短7度

 これはあんまりきれいとは言えないですね・・・ 

 

長7度 (major 7) 

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長7度

  これはキモイ ・・・

 

完全8度 (perfect 8)

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完全8度

   和音という感じはありませんが、パワフルなサウンドがします

 

Tips

 完全8度が同時に(和音で)鳴っている時、高さは違えど、音が同じです。これをオクターブユニゾン(Octave Unison)って言います。

 

まとめ 

 このように音と音の広さ、距離が変わってくるとサウンドも変わっていきますね。それぞれの音程によって、個性があり、感じ方も変化していきます。ここではその音程の幅と、それが作り出す音の「個性」の関係を感じていただきたいと思います。

 ところで、それぞれの具体例を聴いてみると、何かこれだけでも曲が作れそうな気がしませんか?

 私はこのサンプルを聴いているだけでも、何か一種の音楽を聴いてるような感覚がします。 作曲家はこの「サウンドの違いを自由自在に操るのがものすごく上手い人」とも言えるかもしれません。

  最後に、ご覧になられている最中に「長」とか「短」とか「完全」とか、新しい単語が出てきました。

 次回からはそんなワードを説明すべく、具体的な音程の数え方について述べてから、実際に先人達がどのように音程を使ったのかを紹介していきたいと思います。