セオリア・ハルモニア 〜はじめての人からすごい人のための音楽理論〜

初心者から上級者のための音楽理論ブログです。実践的な例を挙げながら、主観的に音楽理論をまとめたいと思います。

音楽理論を独学で②<音楽理論は独学で十分か>

  前回の記事https://taka-musictheory.hatenablog.jp/entry/2020/04/13/082024でお気に入りの参考書を見つけました。では、それからどうやって音楽理論の学習を進めて行きましょうか?

 

①鍵盤を用意する

 理論を勉強する時はピアノを用意してください。(ギタリストはギターでもOK)

 ガチのピアノじゃなくても、MIDIキーボードでも、なんならピアノアプリでも良いので鍵盤を横に置いてください。黙って勉強するのが一番だめです。

 

 ピアノで勉強するメリットは以下です。

・触覚

 ピアノで誰でも音を出せる楽器です。指で鍵盤を弾きながら理論を勉強することで、頭と体で覚えます。

 

・視覚

 ピアノの鍵盤は白黒に色分けされている楽器から、目で理論を勉強できるメリットがあります。例えば、ト長調は黒が一つ(F#)、白が6つ、とかCmは両端が白(CとG)、真ん中が黒(Eb)とか・・・というふうにピアノは視覚で勉強でするのに有利です。

 

・聴覚

 音楽はそもそも耳で聴くものです。頭と耳で理論を理解する必要があります。ピアノには、音を出すだけという目的なら誰でも弾ける手軽さがあるので、積極的にピアノを使っていきましょう。

 

 音楽理論の勉強にピアノやギターなどの和音を鳴らせる楽器は必要不可欠です。目で見て、手で触って、耳で聴いて、頭で理解していきましょう。

 

②ノートを取りながら

 「書く」という動作は非常に効果があります。手と脳は連動していますから、書いた方が記憶は定着しやすいです。英語単語を覚える時、同じ単語を3回ずつ書いて覚えた方、たくさんいらっしゃるでしょう。

 「書く」といっても、音楽用語をむやみやたらに書くのではなく、自分がその日理解したこと、考えたことをノートに記録するのがオススメです。

 書くことで思考を整理でき、後で自分が以前に何を考えたか、何を学んだか、パッと見てわかります。

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筆者のノート。上に楽譜を貼り、余白に考えたことを自由に記述する。

 

③お気に入りの曲を分析してみる

 これが最も重要です。←大事なんで文字を赤く塗りました

 ある程度知識がついたら、お気に入りの曲の楽譜を手に入れて(または採譜して)、それを自分なりに分析してみましょう。 

 芸術には勉強で身につけた知識・経験を使って創作する、という最終目的があります。応用しない、できない知識など、どの学問にもありません。そもそも、理論に興味がある人は「自分も何か作ってみたい」というささいなきっかけがあって、興味が出始めたはず。

 お気に入り、尊敬するアーティストの創作物を分析して、自分なりの理論を作り、創作へのヒントにしましょう。それも立派な”勉強”です。

 

 しかし、「創作者がそもそも理論を意識して創作しているのか?」「分析しても、それは自分の勝手な解釈ではないのか?」という問題があります。理屈っぽい筆者もそんなことを考えていた時期がありました。が、高校時代の国語教師のこんな言葉が心に残っています。

 

 「作者が気づいていないことに気づけたら、それは読者の勝ち」

 

 うむ・・・。その先生はそれについて多くは語りませんでしたが(というより筆者が当時の授業についてあまり覚えていない)、妙に納得してしまいました。

 

 理論というのはあくまで誰かが考えたものです。それを吸収するだけでは、要するに”借り物の理論”を学んでいるだけにすぎません。むしろ、良い曲をたくさん分析して、「自分だけの理論」を構築することの方がよっぽど大事です。

 

<まとめ 〜専門教師のもとで学んだ方が良い?>

 講師のもとで学ぶ、というのも1つの手です。専門教師で学ぶメリットは

・自分が理解できていないところを指摘してくれる

・すぐ質問できる

 

 ことの2つが一番大きいと思います。しかし、知識を詰め込む作業である、理論の勉強については必ずしも教師は必要ない、と筆者は思います。確かに、専門機関の教師ならば確認テストを作ってくれたり、質問したらすぐ返ってきたりと、学習においては非常に効率の良い存在です。しかしながら、そういうメリットを差し置いても、理論は独学で十分、というのが筆者の考えです。そもそも、「理論を勉強したいから、じゃあ先生を探そう」というスタンスはむしろ消極的に感じます。教師のもとで学ぶなら、自分で最低限できることを学んでからにしたいものです。←音楽の専門機関は授業料が高いですから・・・

 

 音楽理論、といっても勉強することに変わりはありませんから、結局は”暗記””詰め込み”が必要になってきます。学習に暗記は絶対必要です。その点はもう諦めるしかないです。

 しかし、音楽理論の独学を始めようか、という読者は音楽好きで、真面目な方でしょうから、その学習への情熱と意欲があれば続くはずです。毎日続けなければいけないというルールもないですし、ゆっくり着実にやっていけばいいのではないでしょうか。